🫁 ALS在宅ナビ 患者情報なし

筋萎縮性側索硬化症を在宅で診るための評価・軌跡・意思決定・制度の早見

病の軌跡 × フェーズ別「先回り対応表」

ALSは数値が動く前に準備を始めるのが要。各フェーズで「評価すること/話し合うこと/備えること」を先回りで示す。フェーズはKing'sMiToSの病期と対応させている。

進行は一定ではない:ALSFRS-Rでみると約25%の患者で6ヶ月以上進行が止まる(plateau)。急速進行に見えても「進行は必ずしも直線でない」と伝えることが安心につながる。(GL2023 Q&A 1-4 / Bedlack 2016)
出典:日本神経学会 ALS診療ガイドライン2023(Q&A 1-4/3-3/3-8/3-12/3-13/6-6/7-6/7-10)、King's staging(Roche 2012 Brain)、MiToS(Chiò 2015 JNNP)。フェーズ区分はガイドライン各項を在宅実務向けに再構成したもの。

自然経過と生存の目安

生存中央値
発症から死亡または換気補助まで 32〜48ヶ月(換気補助なしで生存可能な期間の中央値はおおむね3〜4年)。個人差が非常に大きい。
両端
約1割は発症1年以内に呼吸不全へ。一方、換気補助なしで10年以上生存する例も1割以上

病型で経過が違う(平均生存)

病型平均生存ひとこと
球麻痺型33.5ヶ月構音・嚥下から始まる。相対的に経過が速い
脊髄(四肢)発症型45.2ヶ月最も多い型
flail arm型76.8ヶ月上肢近位優位・UMN徴候に乏しい。経過が長い
flail leg型75.9ヶ月下肢優位。経過が長い
予後不良因子:高齢発症・球麻痺発症・呼吸障害発症・FTD合併・ALSFRS-R低下速度が速い・早期からの多領域進展・診断時/診断後の体重減少・努力肺活量低下・頸部屈筋力低下。統合予測=ENCALSモデル(Westeneng 2018)
出典:GL2023 Q&A 1-4/1-5/3-7(Watanabe 2015・Fujimura-Kiyono 2011・Wijesekera 2009・Pupillo 2014)。起点は「発症から」。英語圏で言う「診断から3〜5年」とは起点が違う点に注意。

ALSFRS-R 計算機

各項目をタップして選ぶと、合計点・ドメイン別・進行速度(ΔFS)・MiToS推定を自動計算。患者データは保存も送信もしない(画面を閉じると消える)。

48 / 48
発症からの月数 → ΔFS 点/月
ΔFS(進行速度)の読み方

ΔFS =(48 − 現在の合計点)÷ 発症からの月数(点/月)。大きいほど速い進行で、診断時のΔFSが生存と相関する(Kimura 2006 Neurology)。

fast/slowの公式カットオフは存在しない。研究ごとに区切りが違う(例:ある層別化研究では <0.29/0.29–1.03/>1.03 点/月)。「ΔFS>1.0で速い」は慣用の目安であって定義ではない。単独で断定に使わない
出典:Kimura 2006(PMID 16434671)、層別化例:Tandfonline 2024(10.1080/21678421.2024.2407412)
MiToS推定について

MiToSは4ドメイン(運動・嚥下・会話・呼吸)で「自立を失った数」を数える病期。本アプリは各対応項目が0〜1点なら喪失とみなして推定する。

  • 運動:着衣(項6) または 歩行(項8)
  • 嚥下:嚥下(項3)
  • 会話:言語(項1) かつ 書字(項4)
  • 呼吸:呼吸困難(項10) または 呼吸不全(項12)
あくまで近似。喪失のカットスコア(0点か0-1点か)は原著本文で完全確定していないため、参考値として扱う。(Chiò 2015 JNNP)

King's clinical staging(参考・手動)

King'sは診察で「障害されたCNS領域の数」+胃瘻/NIVの有無で決まり、ALSFRS-Rだけからは正確に導けない。下で選ぶと段階が出る。

障害領域数
球麻痺/上肢/下肢のうち症状のある数
胃瘻
NIV
出典:Roche 2012 Brain(Stage1=1領域, 2=2領域, 3=3領域, 4A=栄養障害で胃瘻, 4B=呼吸障害でNIV, 5=死亡)。日本の医療費助成の申請では別に厚労省研究班「ALS重症度分類1〜5度」を用いる(→制度タブ)。

呼吸評価とモニター

モニター間隔の目安:2〜3ヶ月ごと(FVC/VC・SNIP・MIP・SpO2)。NICE NG42 推奨1.15.10
指標意味・在宅での使い方
%FVC
努力肺活量
最も普及。携帯スパイロで測定可。球麻痺でマスク密着が悪いと過小評価されるので値だけで判断しない
SNIP
鼻腔吸気圧
鼻から「スンッ」と吸うだけ。球麻痺例ではFVCより鋭敏
MIP/PImax呼吸筋力。口唇筋力低下で測定困難なことあり
夜間SpO2在宅で最も現実的。指先オキシメータで一晩記録し夜間低換気を拾う
起坐呼吸横隔膜不全の早期サイン。問診のみ(ALSFRS-R項11)
SpO2の行動閾値:≤94%(肺疾患なし)/≤92%(肺疾患あり)で血液ガスを検討。値が保たれていても睡眠関連症状があれば睡眠検査を。NICE NG42 1.15.11–12
出典:NICE NG42(2016/更新2019)、EFNS 2012、AAN 2009。

NPPV(マスク式)導入の目安

日本のガイドライン%FVCが80未満で導入する趨勢。%FVC 80以上で導入した群のほうが予後が良いとされ、遅らせず早めに相談を始めるGL2023 Q&A 7-6

神経筋疾患へのNPPVは第一選択(推奨度B):日本呼吸器学会 NPPVガイドライン改訂第2版(2015)CQ20。

導入カットオフ(国際ガイドライン)

ガイドライン導入を検討する基準(いずれか)
NICE NG42FVC/VC <50%/SNIP・MIP <40cmH2O/FVC<80%+症状
EFNS 2012FVC<80%/SNIP<40/MIP<−60cmH2O/夜間低酸素/早朝PaCO2>45mmHg(+呼吸器症状)
AAN 2009起坐呼吸+MIP<−60、SNP<40で夜間低酸素と相関(推奨度B)
生存への効果(RCT)非球麻痺例で生存中央値を約205日(≒7ヶ月)延長し、QOLも改善(Bourke 2006 Lancet Neurol)。重度球麻痺例では生存延長は証明されておらず、QOL改善のみ
⚠️ 「11ヶ月延長」は別の観察研究の値で、この試験の結果ではない(混同に注意)。
出典:GL2023 Q&A 7-6、日本呼吸器学会NPPVガイドライン2015、NICE NG42、EFNS 2012、AAN 2009、Bourke 2006(PMID 16426990)。数値カットオフは国際ガイドライン由来。

TPPV(気管切開下人工呼吸)

導入の目安
NIV+排痰補助(MI-E)を適切に使ってもSpO2 90%以上・pCO2 50mmHg未満が維持できない/分泌物が処理できないとき。球麻痺が強ければより早期。
導入の仕方
緊急導入はトラブルが多く、待機的導入が望ましい
装着前の合意形成が決定的:日本では一度装着したTIVの離脱を可能とする法律や手順が定められていない。「希望すればできます」と選択肢を並べるだけでなく、将来のコミュニケーション・介護・経済負担を5年10年先までシミュレーションして話し合う。GL2023 Q&A 7-10/7-13(→意思決定タブ)
出典:GL2023 Q&A 7-10/7-13。TIVはAAN 2009では推奨度C(QOL維持目的で検討可)。

排痰・呼吸リハ

咳のピークフロー<270 L/分で排痰補助装置(MI-E/カフアシスト)を推奨、<160 L/分で自力排出は困難。急性気道感染時は特に重要。AAN 2009・NICE NG42

MI-EはNPPVと併用が神経筋疾患の標準(日本呼吸器学会2015)。関節可動域訓練など呼吸以外のリハも早期から。

出典:AAN 2009(推奨度C)、NICE NG42、日本呼吸器学会NPPVガイドライン2015。

呼吸困難の緩和(在宅)

モルヒネが呼吸苦・疼痛に有効(報告で呼吸苦81%・疼痛74%が緩和)。2011年9月にALSで保険上の使用が承認
開始例
短時間作用型の塩酸モルヒネ2.5mg/回(PaCO2 60mmHg以上では1.25mg)で開始し、効果を実感するまで漸増→10mg/日超で徐放製剤へ→死の直前は持続皮下/静注。
実使用量
NIVなし30〜80mg/日、NIV下では100〜200mg/日以上になることも。

「モルヒネが原因で死期を早めたというエビデンスはない」とGL2023が明記。ただし呼吸抑制の副作用には留意し、低酸素へはCO2ナルコーシスに注意して少量酸素。不安には抗不安薬(ベンゾジアゼピン系)併用。

出典:GL2023 Q&A 4-4/5-7。薬剤は一般名。用量は症状・腎機能・オピオイド使用歴で個別に調整。

胃瘻(PEG)のタイミング

原則、努力肺活量が50%以上の時期に造設する。安全性を規定するのは呼吸機能。%FVC<30%での造設は危険(造設中・後に呼吸不全が悪化しやすい)。GL2023 Q&A 6-6
検討の合図
病前体重の10%以上の体重減少、むせ・食事量減少などの初期徴候。BMI 18.5まで待ってはいけない。pCO2<45mmHgでの造設が望ましい。
低FVC例
内視鏡室でNIVを併用、またはRIG/PRGなど内視鏡を使わない方法を検討。
胃瘻を作っても経口摂取はやめない:栄養を補う経路であり、安全な範囲で「楽しみの経口摂取」を併用できる。造設で体重が安定し生存も延長しうる(AAN 2009 推奨度B)。

3手技(PEG/RIG/PRG)の30日死亡は3%・3%・7%で有意差なし(ProGas 2015, n=330)。

出典:GL2023 Q&A 6-5/6-6、AAN 2009、EFNS 2012、ProGas 2015(PMC4578147)。

嚥下・栄養の評価

ツールやり方・カットオフ
EAT-1010項目 各0-4点。一般は3点以上で異常。ALSで誤嚥検出はカットオフ8点(感度86%/特異度72%)
反復唾液嚥下テスト
(RSST)
30秒間の空嚥下回数。3回未満で陽性(VF比 感度0.98/特異度0.66)
改訂水飲みテスト
(MWST)
冷水3mLを嚥下→むせ・湿性嗄声・呼吸変化を評価。問題なければ30mLへ
藤島グレード「食べられている状態」の10段階(重症度分類。スクリーニングではない)
低栄養・体重減少は予後不良因子体重5%減少で死亡リスク約30%上昇、低BMIで進行加速。ALSでの低栄養頻度は16〜53%。系統的レビュー2025(PMC11901627)
出典:Plowman 2016(EAT-10)、小口ら2000(RSST)、日本摂食嚥下リハ学会、系統的レビュー2025。いずれもALS専用に開発された検査ではなく転用(EAT-10のみALS検証あり)。

必要エネルギーと代謝亢進

代謝亢進
ALSは安静時エネルギー消費が予測より高い傾向(ある報告で実測REEが予測比+19.7±6.4%)。頻度はコホートで幅があり単一値は要確認
必要量の目安
非人工呼吸下 30〜35 kcal/kg/日NIV下 25〜30 kcal/kg/日。ゴールドスタンダードは間接熱量計だが在宅では推算式で代用。
出典:系統的レビュー2025(PMC11901627)。

唾液・流涎の管理

第一選択は抗コリン薬(口腔乾燥という副作用を治療に利用)。EFNS 2012の順序:アミトリプチリン → スコポラミン(経皮/経口)または舌下アトロピン → 難治例でボツリヌス毒素注射。

薬剤(一般名):アトロピン点眼の口腔内投与、スコポラミン、グリコピロニウム、アミトリプチリン等。難治例のボツリヌス毒素B型はAAN 2009で推奨度B、低線量唾液腺照射は推奨度C。各薬剤・ボツリヌス毒素の国内での流涎への保険適応は要確認。副作用に便秘・尿閉・喀痰粘稠化。

出典:GL2023 Q&A 5-9、EFNS 2012、AAN 2009症状編。国内保険適応は個別確認が必要。

告知(診断の伝え方)

  • 原則、初回から本人に説明。患者より先に家族だけに説明しない(認知症・うつで意思決定能力が下がっている場合を除く)。同意を得て家族・多職種の同席を促す。
  • 45〜60分を確保し中断させない。重要情報は最初に、悪い情報は良い情報と共に。
  • 「治療法はありません」「当院ですることはありません」は禁句。方針は後で変更してよいと伝える。セカンドオピニオンも容認。
  • 予後は「個人差が大きく、5年・10年もしくはそれ以上生存する場合がある」ことに言及。
  • 胃瘻・NIVなど推奨処置は「治療」として明確に勧める。選択肢を並べるだけは不親切でストレスになる。
出典:GL2023 Q&A 3-3/3-7/3-8(SPIKESに基づくチェックリスト)。

意思決定のタイミング早見

患者は決定を先延ばしにしがち。コミュニケーション能力や意思決定能力が失われる前に、繰り返し話し合って決めておく

テーマいつ/何を目安に
胃瘻体重10%減・むせ等の初期徴候で。%FVC≥50%のうちに(<30%は危険)
NIV遅くとも呼吸症状の出現時。%FVC<80で早期導入の相談を
TIVNIV+MI-EでSpO2 90%/pCO2 50が維持できない前に。待機的に。装着前の合意が決定的
急変時診断早期から。TIV希望の有無を先に決める(下記)
意思伝達手段進行後期までに視線入力等を確立。眼球運動も障害されうる前提で早めに
出典:GL2023 Q&A 3-10/6-6/7-6/7-10/3-12。ACPは「書面=その時点の希望」であり、結果でなくプロセスを重視。

急変時対応(事前に決めておく)

最重要:TIV希望の有無を事前に決めておく。呼吸機能が落ちた例に気管挿管すると抜管できずTIVに移行してしまう。
  • 方針をカルテ・かかりつけ医・診療情報提供書に記載。
  • 気管挿管を希望しない旨の事前指示書は、救急救命士にもわかる場所(玄関・冷蔵庫など)に保管
  • 救急要請の手順を事前にシミュレーションしておく(心肺停止時に限り救急救命士の気管挿管が認められる制度がある)。
出典:GL2023 Q&A 3-12、東京消防庁「心肺蘇生を望まない傷病者への対応」。

装着した人工呼吸器の中止をめぐる論点

現状では、呼吸器離脱を可能とする法律や手順が定められていない(GL2023 Q&A 7-13)。
  • TIV離脱が「安楽死」か「治療の中止」かは議論があるが結論は出ていない。いずれにせよ本人の意思が最優先、家族の意向のみでは行えない
  • 判例(東海大1995・川崎協同病院2005)は治療中止の要件として「死が避けられず死期が迫っていること」を挙げる。TIV継続で延命できるALSは「死期が迫っている」に該当しにくい。
  • 厚労省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」は本人の(推定)意思が確認できれば中止可能とするが、具体的手順の記載はない。
  • だからこそ装着前のACP/SDMが決定的に重要
出典:GL2023 Q&A 7-13、厚労省 人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン。(記載はガイドライン2023時点の整理)

認知機能・FTD

明らかな認知症を伴う例はまれだが、軽度を含めると認知機能低下は半数強で検出され進行とともに増える。前景は前頭側頭葉機能(遂行機能・情動・行動)で、重い記憶・見当識障害はまれ(ADとは異なる)。

合併頻度:日本の多施設研究でbvFTD 5.4%(Watanabe 2020)、イタリアではFTD 20.5%・何らかの認知低下51.8%(Chiò 2019)。日本はC9ORF72変異が欧米より少なく頻度が異なる可能性。FTDは予後不良因子であり意思決定能力に直結するため、能力評価と代理意思決定者の特定が必須。

出典:GL2023 Q&A 1-6/5-1、Watanabe 2020、Chiò 2019。

指定難病・難病医療費助成

告示番号
指定難病 2(筋萎縮性側索硬化症)
対象基準
厚労省研究班「ALS重症度分類1〜5度」で2度以上(Barthel Indexではない)。届かなくても「軽症高額該当」で対象になりうる。
自己負担
2割。所得区分別の月額上限あり。人工呼吸器等装着者は所得に関わらず月1,000円(在宅で実務上重要)。
更新
原則1年ごと
重症度分類(2度以上が対象)
  • 2度:家事・就労は困難だが日常生活はおおむね自立
  • 3度:食事・排泄・移動のいずれか1つ以上ができず介助を要する
  • 4度:呼吸困難・痰の喀出困難あるいは嚥下障害がある
  • 5度:気管切開・非経口栄養・人工呼吸器使用
  • (1度の正確な定義は本アプリでは要確認
出典:難病情報センター(nanbyou.or.jp/entry/214, /5460)、東京都難病ポータル。確認日 2026-07-05。

介護保険(40〜64歳でも使える)

ALSは介護保険の特定疾病(第3番「筋萎縮性側索硬化症」)に該当。40〜64歳の第2号被保険者でも要介護認定を受けて介護保険が使える

流れ:市町村へ申請→認定調査+主治医意見書→一次判定→介護認定審査会→要支援1-2/要介護1-5→ケアプラン。根拠:介護保険法施行令第2条。

出典:厚労省(特定疾病の選定基準)、介護保険法施行令第2条。

訪問看護は医療保険へ(別表7)

ALSは訪問看護「別表第7」に該当。要介護認定があっても訪問看護は医療保険が優先となり、週4日以上・1日複数回・最大3ステーションの利用が可能になる。人工呼吸器・気管カニューレ使用は「別表第8」にも該当しさらに手厚く。

在宅の家族・患者への一次案内では「難病医療費助成」+「訪問看護の医療保険移行(別表7)」が最初の要点。

出典:訪問看護 別表第7(厚労大臣が定める疾病等)第5番=ALS、別表第8。

身体障害者手帳

  • 肢体不自由:進行に伴い認定(進行性のため再認定・等級変更あり)。
  • 呼吸器機能障害常時人工呼吸器を使用する必要がある者は1級
  • 音声・言語・そしゃく機能障害でも該当しうる。
出典:厚労省 身体障害者手帳認定基準(各自治体運用)。

重度訪問介護・意思伝達装置

重度訪問介護

常時介護を要する重度肢体不自由等に、居宅介護・外出時の移動介護・長時間の見守り的援助を提供(障害支援区分4以上が目安)。最重度・意思疎通困難例は重度障害者等包括支援(区分6)。人工呼吸器装着ALSが典型対象。

重度障害者用意思伝達装置

補装具費支給制度で給付。重度の両上下肢+言語機能障害で装置がないと意思伝達困難な者が対象。原則1割負担(非課税世帯0円、課税世帯 月37,200円上限。所得割46万円以上の世帯は対象外)。基準額・耐用年数は要確認

出典:厚労省 障害福祉サービス/補装具費支給制度の概要。

在宅の主な医療点数(無床診療所)

管理料・加算点数/月
在宅人工呼吸指導管理料 C1072,800点(令和8年度 据え置き確認)
人工呼吸器加算 C170(気切/TPPV)7,480点 R6値
人工呼吸器加算 C170(マスク/NPPV)6,480点 R6値
在宅酸素療法指導管理料 C1032,400点 R6値

C107は令和8年度点数表で据え置きを確認。C170・C103と各材料加算は令和6年度値で、令和8年度公式点数表での個別確認は要確認(変更情報は見当たらず)。

出典:しろぼんねっと 令和8年度点数表(C107)、令和6年度点数表(C170・C103)。

災害・停電対策(人工呼吸器装着者)

  • 内部バッテリーは数時間。外部バッテリー複数+発電機で3日以上の電源確保が推奨。予備回路・予備カニューレ・加温加湿器も平常時から。
  • 自治体の非常用電源設備整備事業(医療機関が患者へ無償貸与する購入費を補助)を活用。内容は自治体で差がある
  • ケアマネ・相談支援専門員と災害時個別支援計画(個別避難計画)を平常時に作成。
武豊町・愛知県/半田保健所の具体的な制度運用は要確認(東京都の事例は他自治体にそのまま当てはまらない)。
出典:東京都難病ポータル(非常用電源設備整備事業)、JDF。地域の運用は所轄保健所へ要確認。

主な出典(一次情報)

  • 日本神経学会 ALS診療ガイドライン2023(本アプリの中核。全文PDFを逐語確認)
    neurology-jp.org/guidelinem/als_2023.html
  • 日本呼吸器学会 NPPVガイドライン改訂第2版(2015)CQ20
  • NICE NG42(2016/更新2019)
  • EFNS ガイドライン(Andersen 2012 Eur J Neurol)
  • AAN Practice Parameter(Miller 2009 Neurology)
  • Bourke 2006 Lancet Neurol(NIVのRCT)/Kimura 2006 Neurology(ΔFS)
  • King's staging(Roche 2012 Brain)/MiToS(Chiò 2015 JNNP)
  • ProGas 2015 Lancet Neurol(胃瘻3手技)/栄養 系統的レビュー2025(PMC11901627)
  • ALSFRS-R原著(Cedarbaum 1999 J Neurol Sci)/日本語版文言:ALSステーション
  • 難病情報センター/厚労省(介護保険・障害福祉・補装具・在宅点数)

作成方針と注意

  • 数値・カットオフは可能な限り一次情報で裏取りし、日本のガイドライン値と国際ガイドライン値を区別して記載した。
  • 裏が取れなかった項目は 要確認 を付けた(重症度1度の定義、意思伝達装置の基準額、R8点数表の一部、武豊町の災害電源事業、国内の流涎薬保険適応 など)。
  • 薬剤はすべて一般名。
  • ΔFSのfast/slow公式カットオフは存在しないNIV生存延長は約205日・非球麻痺例限定("11ヶ月"は誤帰属)など、誤解しやすい点は本文で明示した。
本アプリは在宅医の臨床判断を補助する早見であり、診療の代替ではありません。最終判断は担当医が個々の患者の状態・最新の制度改定・一次情報を確認のうえ行ってください。制度・点数は改定されます。患者を特定する情報は一切保存・送信しません(すべて端末内で完結)。
最終確認日:2026-07-05